医療用具としてのPC問題を
カスタムコントローラが解決

株式会社スズケン様

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「株式会社スズケンケンツ事業部」は「ホルター心電計」と呼ばれる、携帯しながら24時間の心電図を記録できる装置と、その解析システムを販売している。これらは日本の薬事法で定められた医療用具として扱われるため、さまざまな試験をクリアしなければならない。その解析システム用のPCとして使用されているのがロジテックのカスタムコントローラである。医療用具として承認を受けるという高いハードルをクリアしながら、同事業部の要求スペックを満足させたカスタムコントローラは、解析システム用のPCだけでなく、解析センターのサーバ&クライアントマシンとしても活躍し、業務の効率化に貢献している。

従来のPCの問題点・不満点
メーカー保証が最大3年で、3年を超える部品の供給や、修理がほどんど困難。
3ヶ月~半年でモデルチェンジされる製品がほとんどで、医療器具としての承認が間に合わない可能性がある。
細かな周辺機器の追加変更ができない。調達できる周辺機器が限定されている。
ロジテックのカスタムコントローラなら
ご要望によって、3年限定のメーカー保証だけでなく、3年を超える部品の供給や修理にも対応。
医療域としての承認申請の期間を考慮したモデルの生産が可能。また、同一モデルを1~3年のあいだ供給可能。
ご要望に応じたパーツを選定可能。ロジテック独自のルートで国内外の幅広いパーツの中から選定、調達が可能。

株式会社スズケン

設立:昭和7(1932)年11月13日
1932年に「鈴木謙三商店」としての名古屋市東区の地に創業したのが始まりである。現在では全国で医療用医薬品の卸売事業を展開するほか、医薬品や医療機器の開発と製造、さらには医療支援や健康支援などの医療関連サービス事業にも参入している。国内に18社のグループ企業を持ち、グループ全体で1.5兆円(2006年3月)近い売上高を誇る国内でも有数の企業である。
URL:http://www.suzuken.co.jp/

携帯型の心電図の検査データを解析センターで専門スタッフが解析

ロジテックのカスタムコントローラについて語る田中基博氏
---ケンツ事業部副部長兼情報解析課統括課長
株式会社スズケンは、1932年11月に「鈴木謙三商店」として名古屋の地で創業し、70年以上の歴史をもつ企業である。医療用医薬品の卸売事業を中核とし、ほかに医薬品や医療機器の開発製造、さらには全国に広がるネットワークから集まる医療現場の声を活かし、医療支援や健康支援などの医療関連サービス事業も展開している。2006年3月期には、グループ企業全体で、売上高1兆5千億円を超えるという国内でも有数の大企業である。ロジテックのカスタムコントローラは、同社のケンツ事業部が扱う「コンパクトデジタルホルター心電計(※)」に記録された心電図データの解析システムに利用されている。

通常、心電図といえば、病院のベッドで横になった状態で検査することが思い浮かぶ。しかし、このような心電図検査は意外にも、わずか10数秒間の心臓の動きを記録しているだけなのである。この間に不整脈などの症状が現れる場合はよいが、1日のうちのわずかな時間にしか症状が現れない患者さんの場合、心電図検査では診断できないことがある。

一方「ホルター心電計」は、体に装着して携帯したまま自由に活動できるうえ、24時間連続で心電図を記録することができる。測定できる波形は一般の心電図の12チャンネルに対して、ホルター心電計では2ないし3チャンネルであるが、日中の活動時や夜間の安静時など日常生活の中で一時的にしか症状が現れない患者さんの検査には大きな威力を発揮する。また、以前はカセットテープを記録媒体として心音そのものを録音していたが、現在では電気的に測定した心臓の動きをデジタル記録してメモリに保存することで小型化を実現。同社のホルター心電計「Cardy(カルディ)シリーズ」はクレジットカードサイズで、薄さ 15mm、電池を含めても重量がわずか72gというコンパクトサイズになっている。

ホルター心電計「Cardy(カルディ)シリーズ」に記録されたデータは、「デジタル記録ホルター心電図解析システム」のPCに取り込み、専門の臨床検査技師が解析ソフトを使って解析する。しかし、「デジタル記録ホルター心電図解析システム」は非常に高価なうえ、解析には医師または専門の臨床検査技師が必要なため、以前は規模の大きな病院でしか利用できなかった。そこで同社はホルター心電計を販売するとともに、社内にホルター心電図の「解析センター」を設置し、検査件数が少ない診療所や開業医、さらには大病院からも処理能力がオーバーした場合のデータ解析を受託するサービスを全国で展開している。

ロジテックのカスタムコントローラは、「デジタル記録ホルター心電図解析システム」に組み込まれているPCの最新モデルと、同社が名古屋/東京/札幌で展開する解析センターのサーバおよびクライアントマシンとして採用されている。
※1961年にホルター博士により開発されたために「ホルター心電計」と呼ばれている。

医療検査機器の一部であるPC、そこに求められる高いハードル

「デジタル記録ホルター心電図解析システム」は医療現場に設置されるため、日本の薬事法によって医療用具として承認を受ける必要がある。今回、ロジテック のカスタムコントローラが採用されるまでの間、同事業部では複数の大手メーカーの市販PCや、自社で組み上げたオリジナルPCを採用し、製品の仕様変更のたびに医療用具としての承認を受けてきた。

ところが近年では、EU(欧州連合)で始まったCEマーキングなどの品質管理に関する指令の強化が日本の製品にも影響を及ぼすようになった。日本でも薬事法の改正により、2007年4月以降は、電磁波が他の医療機器へ与える影響を規制するEMC試験への適合が、医療用具として承認される必須条件となるなど、承認条件が従来よりも

同社はPCメーカーではないため、自社組み立のオリジナルPC全体をひとつの製品として認めてもらえない可能性がある。最悪の場合は部品レベルでEMC試験を受け、承認を取る必要性が発生するなど、多くのリスクが考えられるため、再び大手海外メーカーのPCを採用する方向で検討することとなった

しかし、採用を予定していた海外メーカーのPCの場合、3年間のメーカー保証は受けることができても、4年目以降の保証がないという問題があった。「PCの世界では3年で製品を更新するのは普通でも、医療の世界では、機器の更新に5年以上かかるのが一般的であり、それ以上の長期に渡っての部品保証が欲しい。」と同社のケンツ事業部副部長兼情報解析課統轄課長の田中基博氏は語る。

過去にメーカー製PCを採用していた時代に、PCが故障しても交換部品がないために修理できず、同等レベルの新品と無償で交換しなければならなかった苦い経験もあった。さらに、3か月から半年という短期間でモデルチェンジするPCメーカーのマシンでは、医療用具としての承認が間に合わないかもしれないという心配もあった。そこで取引のある代理店から、これらの問題を解決できる製品として紹介を受けたのがロジテックのカスタムコントローラであった。

医療用具としての条件と客先からの要望をクリアしたロジテックのカスタムコントローラ

同社では、ロジテックのカスタムコントーラであれば、3年間保証だけでなく、1年以上の同一モデルの提供や、3年目以降も部品の供給を受けることが可能であり、さらには工業用をはじめ、高い品質や信頼性を要求される法人向けのコントローラとしての幅広い実績があることがわかった。そこで同社の開発部門およびメンテナンス部門の担当者が、ロジテックの自社工場の生産ラインや検査設備などを実際に見学して、最終的にこれなら同社の要望を満たすカスタムコントローラを生産できると確信し、採用が決定された。

ロジテックではカスタムコントローラのさまざまな検証や試験、そして組み立てまでを長野県伊那市にある自社工場を中心に行っており、今回のEMC試験のような各種テストについても社内の検査設備などを使って迅速に検証できる体制を整えている。

また、ロジテックのカスタムコントローラは、カスタマイズ性が高いことも特長のひとつである。当初、同社が採用を予定していた大手メーカーでは、仕様変更が可能な内容が限られるためカスタマイズの自由度が低く、結果的に同社が要求する条件に応えられない部分が多くあった。一方、ロジテックのカスタムコントローラは、その点でも自由度の高さを発揮した。例えば医療現場ではメディアの信頼性の高さから、データの保存や移動に現在でもMOメディアが多く使われている。また記録型DVDメディアについては、メディア自体が保護されているカートリッジタイプのものが利用されることが多い。ところが大手メーカーのPCでは、HDDやメモリの容量などはカスタマイズできても、内蔵タイプのMOドライブやカートリッジ対応のDVDRAMドライブを組み込むといった特殊な仕様変更までは簡単に対応してもらえない。そのうえ、これらのストレージデバイスをPC本体に内蔵した状態で製品化すると、製品ごとに医療用具としての認証が必要になる。このような場合でも自社工場で事前に十分な検証をしてから承認申請できるなど、製品の目的に応じて細かな対応ができることがロジテックのカスタムコントローラのセールスポイントとなっている。

解析センターの業務効率化や、これからのグローバルな事業展開にも貢献

新たしくなった東京解析センター
13台のクライアントマシンが並ぶ
今回、ロジテックのカスタムコントローラは、「デジタル記録ホルター心電図解析システム」向けのスタンドアローン型のほか、同社の解析センター向けのサーバおよびクライアントマシンとして使われるネットワーク型のものも導入されている。

解析データを取り込むサーバマシンは、同社からの「丈夫で高い処理能力」という要求に対応するため、IntelRCore?2Duoプロセッサに2GBの大容量メモリ、連続稼働に耐える国内メーカーのノンストップ電源とバックアップ用のバッテリーを搭載した高性能かつ高信頼性を実現している。一方、解析データを編集するクライアントマシンは「デジタル記録ホルター心電図解析システム」向けと同等のマシンスペックにネットワーク機能が追加されている。

これまで解析センターのマシンはスタンドアローン型であったため、臨床検査技師がデータを分析する際には、自分が担当する患者さんのデータが入ったマシンの前に移動して24時間分の心電図をプリントアウトし、そのあと自席に戻ってチェックする必要があった。もしデータの拡大や編集が必要になった場合は、再びデータが入ったマシンの前に移動してソフトウェアを操作する。しかし、1台のマシンに複数の患者さんのデータが入っているため、他の検査技師と作業がぶつかる場合があり、そのような時は待機しなければならず、効率的な運用ができなかった。

ネットワーク化されたことで、席を移動することなく
落ち着いて解析できるようになった
今回、マシンがネットワークで結ばれたことにより、検査技師ごとに1台のクライアントマシンを占有できるようになった。サーバからネットワーク経由でデータを取り込めば、あとは自分のクライアントマシンで、プリントアウトから拡大、編集などすべての業務が可能になり、待ち時間というムダを省くことができた。

また、解析センター同士もデータセンターを中心にネットワークで結ばれたことで、データセンターに集められたデータを名古屋/東京/札幌の各解析センターで業務を均等化できるようになり、年間5万件以上のデータを解析するセンターの効率的な運用が可能になった。こうしたネットワーク化は、解析センターの業務システムのさらなる進化を予感させる。名古屋/東京/札幌それぞれの地域で解析する特長を活かしながら、労働力にゆとりのある地方での業務比率を増やすことで、人件費の抑制と人材の確保が容易になる。また、田中基博氏は解析センターの将来像として「いずれはヨーロッパ、アジア、アメリカに拠点を置き、時差を利用しながら8時間ずつ24時間体制で解析をするようなことも考えたい」と語る。これにより、常に昼間の解析作業を可能にすることで、深夜勤務によるミスや人件費を減らし、安定した労働力を確保できる。こうした事業のグローバル化にも新しいロジテックのカスタムコントローラが貢献することが期待される。
左)机の下に設置されたミドルタワータイプのサーバーマシン3台。この中に解析データが保存されている。各クライアントは必要に応じてサーバからデータをコピーする。
右)国内メーカーの電源装置およびバックアップシステムを搭載。さらにFDDのほか、内蔵MOドライブ、カートリッジ対応の内蔵DVDドライブが組み込まれている。
本事例紹介記事に記載のシステムや数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
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