複合カフェの独自PC問題を
カスタムコントローラが解決

株式会社ランシステム様

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「株式会社ランシステム」は、アミューズメント・コンテンツを集約した複合カフェ「スペースクリエイト自遊空間などを全国に展開。1998年に1号店を開店して以来、この業界のパイオニア的な存在である。しかしそれは、ビジネスモデルのないゼロからのスタートでもあった。特にインターネットブースで使用するパソコンでは、思いがけないトラブルに遭遇する。このトラブルを解決したのが、ロジテックの「カスタムコントローラ」だ。ランシステムのスタッフとロジテックの開発陣が共同で作り上げたトラブルの少ない独自仕様のパソコンが店舗導入・運営の効率化に貢献している。

株式会社ランシステム

設立:1988年
代表取締役:山本実
全国にいち早く複合カフェ「スペースクリエイト自遊空間」を展開。現在では直営・FC店合わせて150を超え、なおも毎月のように新店を展開し続けている。他にもTVゲームショップ「桃太郎」などを運営。また、2004年6月には、JASDAQ市場に上場している。
URL: http://www.runsystem.co.jp/

ビリヤードクラブから、新しいビジネスモデル「複合カフェ」へ


複合カフェ創成期の様々なご苦労や、自社オリジナルのカスタムコントローラのモデルについて語られる沖野取締役(左)と、管理部情報システム課 飴野係長(右)
「株式会社ランシステム」は、1988年家庭用ゲーム事業からスタートし、その後はビリヤードブームに乗って、各地で大型のビリヤードクラブの運営を手がけるようになった。しかしやがて、ビリヤード人気にかげりが見えると、既存の資産を活かしながら事業転換できないかと模索を始める。

そして、漫画喫茶やネットカフェという事業形態がビジネスとして確立されつつあることに目をつけ、1998年にビリヤードクラブの一角に、漫画喫茶とネットカフェの要素を実験的に取り入れたところ、このねらいが見事にヒット。個別の娯楽をひとつの空間に複合させたアミューズメント施設へと変身させたのである。

こうして誕生した施設の概念を、同社では「複合カフェ」と定義。以後、この言葉は業界名に使われるほど広まっていくこととなる。また当時、漫画喫茶やネットカフェは、ドリンク代を支払うことでサービスを利用するのが一般的であったが、同社は複合カフェに時間制やフリードリンクを取り込み、現在のスタイルを作り上げた。

こうして、見事に事業転換に成功し、以来「複合カフェ」のパイオニアとして、常にトップシェアをいく存在となったのである。

業界のパイオニアだからこそ味わった苦難

スペースクリエイト
自遊空間BIGBOX高田馬場店
しかし、順調な複合カフェ事業も、順調過ぎるがゆえに、やがて大きな苦難に遭遇することになる。

当初、インターネットが利用可能なパソコンを、1店舗あたり20台ほど設置したのだが、パソコンがある席から順番に埋まるようになった。インターネットブースはあっという間に店舗で一番人気のコンテンツとなり、インターネットブースをさらに増設していくことになった。

ところが、当時、店舗に導入していたパソコンは、コスト優先のために単価の安い市販の製品で、これが大きなトラブルの原因となった。複合カフェのように、多数のお客様が24時間利用する環境では、酷使されることで頻繁に障害が発生してしまうのだ。

パソコンの障害でもっとも多かったのがハードウェアの熱暴走だった。本体やCPUのファンが故障することで内部温度が上昇し、早いものでは1か月、ほとんどのパソコンが1年足らずでダウンしてしまうのだ。初期不良も大きな問題だった。各店舗に届いた新品のパソコンをセッティングし、いざ電源を入れると起動しないのである。予想をはるかに超える不良率にスタッフは悩まされた。人気のインターネットブースが稼働しなければ、売り上げに影響が及ぶ。また、障害対応に追われるスタッフのコストも膨らむ一方だった。

もうひとつの問題は、導入業務の非効率さにあった。市販のパソコンの場合、店舗用にアプリケーションのインストールや環境設定を自前でする必要がある。そのため、アルバイトを動員して、1か月に150台を超えるパソコンをセッティングすることもあった。また、パソコンは本社で荷受けし、社内でいったん組み立て、ソフトをインストールしたあと、再び梱包して店舗へ出荷するため、流通コストもばかにならなかった。

1か月あたりの新規開店の店舗数が増えるほどに、これらの負担も増していった。とにかく運営の効率化と導入コスト削減をはかるために、動作が安定したパソコンと、それを効率よく導入・運用できるシステムの開発が急務となったのである。

ロジテックのカスタムコントローラとの出会いにより独自モデルの開発へ

ズラリと並ぶ高田馬場店のインターネットブース
そこで、いくつかのパソコンメーカーに相談を持ちかけたが、期待していた反応は得られなかった。低価格競争の時代に、カスタムコントローラや個別サポートといった業務は、ビジネスとして成り立たないと判断されたのかも知れない。そんなとき、取引先の企業から紹介されたのが「ロジテック株式会社」だった。さっそく話し合いの機会を持ち、自分たちが描く「複合カフェに適したモデルスペック」について話したところ、ロジテックから「その内容なら」と好感触を得た。

ロジテックでは、従来から法人向けとして、工場の生産現場などのカスタムコントローラを数多く手がけてきた実績があった。このような現場では、堅牢で故障しにくいシステムの構築、故障時の迅速な対応、同一モデルの長期供給、現場に応じたソフトの導入と環境設定といった条件が要求される。ロジテックでは、これらひとつひとつの要求に顧客単位で対応していたのである。そしてそれがまさにランシステムが求めていた「複合カフェに適したモデルスペック」に対応するものであった。その後、同じようにカスタムコントローラを販売する数社のモデル機を試したが、結果的にもっとも安定性に優れ、障害の少ないロジテックのカスタムコントローラに採用を決定した。

トラブルが少ない、省スペース、複合カフェに最適なカスタムコントローラが完成

スペースクリエイト自遊空間のインターネットブースで使用されているカスタムコントローラの現行モデル「RUN-KTAシリーズ」。 筐体は、設置の向きによってCD/DVDが取り出しにくくなるのを防ぐため、写真とは上下逆にしても設置できる独自アイデアのPCケースを採用している。 筐体やマウスなど「スペースクリエイト自遊空間」のエンブレムが付けられている。
こうして、ランシステムとロジテックによる複合カフェに最適なカスタムコントローラの開発が始まった。

最初に取りかかったのは、放熱性を考慮した壊れにくいパソコンの開発だった。筐体内に十分な空間を確保し、ファンを付ければ、放熱性は向上する。しかし、店舗内のインターネットブースの面積を抑えるため、パソコンの筐体もスリムなデザインが求められた。カラーは、汚れが目立たないようブラックに決定。コストはもちろん、マシンスペックや動作の安定性にも配慮しつつ、パーツをひとつひとつ吟味した。こうして、初期の標準モデルが完成し、各店舗への導入がはじまった。

しかし、カスタムコントローラの開発はこれで終わりではない。製品の導入後も、利用者のニーズや運用面の問題解決のために、さらに改良が繰り返されてきたのである。利用者からファンの音が気になるという意見があれば、さっそくより静音性の高いファンに変更した。今では、一定の騒音以下になるように設計基準が変更されている。

また、現行モデルは筐体が当初のモデルよりも大きくなっているのだが、それにも理由がある。ひとつは、グラフィックカードをマザーボードに直接差し込む構造に変更したことにある。スリムさだけを追求するならライザーカード(※)を使って取り付けるのがベストだが、接点不良によるトラブルを回避するために、直接差し込む構造を採用したのだ。もうひとつは、拡張性を確保するためだ。新しいPCゲームが出るたびに、要求されるCPUの処理速度やメモリ容量、グラフィック性能などのマシンスペックが高くなっていくので、ある程度の拡張性を持たせる必要があるのだ。ほかにも、内部パーツの盗難を防ぐため、筐体を簡単に開けられない構造に作り替えた。

ロジテックでは、常にクライアントの希望を聞きながらも、技術的観点からバランスのよい仕様の提案を目指し、開発にあたっている。
※ライザーカード
グラフィックカードなど高さのあるカードを横向きに配置することで、パソコンの幅を抑えるアダプタカードのこと。

キッティングサービスにより店舗では、つなぐだけでセッティングが完了

高田馬場店のインターネットブース
パソコン本体、ディスプレイなどが効率よく収納されている
ロジテックではハードウェアの組み立てだけでなく、ソフトウェアのプリインストールなど、クライアントの希望する状態で出荷する「キッティングサービス」にも対応している。

ランシステムにとって、この「キッティングサービス」によるメリットが実に大きかった。注文したカスタムコントローラが、OSやゲーム等のアプリケーションのインストール、環境設定、セキュリティポリシーの設定などをすべて済ませた状態で直接店舗に届けられるからだ。これにより、従来のような本社でのパソコンの荷受け、アルバイトによるソフトのインストールや設定、店舗への再出荷という無駄な手間や輸送コストが一切なくなった。店舗に届いたパソコンはそのままブースに設置し、ケーブルをつなぐだけで利用できる。現在では、あらかじめ3~6か月先の出荷予測数をロジテックに伝えておけば、独自仕様のパソコンが指定日に店舗に納入されるようになっている。

このほか、サービス体制も整っている。店舗で復旧できない故障が発生した場合は、すぐにロジテックから代替機が届けられる。おかげで、ブースの稼働ロスが最小限に抑えられるようになった。

このようにカスタムコントローラの企画から、導入後のサポートまで一貫したシステムが完成したことで、ランシステムでは、複合カフェ事業の1部でしかないインターネットブースの「パソコン」にとらわれる手間とコストを削減することに成功した。 「おかげさまで、今では新店展開など、本来の自分の業務に集中できるようになりました」と管理部情報システム課の飴野係長は語る。

カスタムコントローラのもたらすメリット。そして、複合カフェでのPCのあるべき姿

高田馬場店エントランス
コスト優先で導入した市販のパソコンも、自社向けへのカスタマイズやサポートに思いがけないコストがかかったのでは意味がない。その点、カスタムコントローラなら製品単価だけでなく、導入、サポート面のコストまで含めたコストバランスの良いオンリーワンのパソコンを作ることができる。特にサポート面の人件費は高コストにつながるため、品質の高い部品を使用した故障の少ないカスタムコントローラは、非常に大きなメリットが得られる。

ランシステムでは、将来的に300店舗の複合カフェを全国に展開する計画がある。そのとき、パソコンの稼働台数は1万台を大きく超えることになり、カスタムコントローラの重要性はさらに高まることになるだろう。

今や、多くの家庭にパソコンがあり、インターネットを楽しめる環境を持つ時代になった。それでも、より高いマシンスペックで最新ゲームを楽しめる場所として、あるいは、まだパソコンを持たないお客様の体験の場所としてインターネットブースに足を運ぶひとは多く、稼働率は衰えていない。

これからも、お客様に満足のいただけるコンテンツの提供を目指すランシステムと、それに応えるべき、よりパフォーマンスの高いカスタムコントローラの開発を担うロジテックの模索は続く。
本事例紹介記事に記載のシステムや数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
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