顧客とともに進化を続ける
日本車両の基礎杭打機施工作業の確認用に
ZEROSHOCKタブレットを採用!

日本車輌製造株式会社様

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あらゆる建築物の土台をつくる基礎工事。特に地盤が弱い場所では、地中への杭打ちが必要となることが多い。
この作業を行う建設機械が杭打機(パイルドライバー)である。
日本車輌製造様は、この分野のリーディングカンパニーとして、これまで約5,000台もの杭打機を製造されてきた。
この度同社では、杭打機の運転席内に設置するためロジテックのZEROSHOCKタブレットを採用いただいた。
その運用方法や選択の理由などについて話をうかがった。

明治29年(1896年)の創業以来、一世紀を超えて鉄道車両製造のトップメーカーとしてわが国の経済成長とともに歩む。その車両づくりの技術はまた、建設機械、輸送用機器、橋梁、営農プラント・製紙関連設備へと裾野を広げ、「インフラストラクチャー創造企業」として進化を続けている。

企業ホームページ:https://www.n-sharyo.co.jp/

鉄道車両製造で培った
製造技術を多彩な分野に展開

明治29年に創立された日本車輌製造様は、鉄道車両製造のトップメーカーとして広く知られている企業だ。同社は創立以来、鉄道の発展とともに歩みを進め、現在では新幹線車両の製造両数がNO.1となっている。その過程で培われた製造技術は、建設機械や輸送用機器、橋梁など、わが国の社会インフラを支えるさまざまな分野に展開されている。

建設工事に欠かせない
基礎杭を打設する杭打機

地盤調査の結果や建物の総重量に応じて、必要な杭の長さ・種類が決まる。 1963年、世界で初めて3点式杭打機を開発した日本車輌製造様。現在では国内トップシェアを誇る。
今回訪れたのは、名古屋市内にある同社機電本部の開発・製造拠点である鳴海製作所だ。こちらでは、大規模な建設工事に欠かせない基礎工事用杭打機の開発から製造までを一手に担っている。杭打機とは、建造物等を安定して支えるために地中深くに打ち込む基礎杭を打設する建設機械である。日本は全般的に地盤が軟弱な地域が多いため、一定度以上の規模の建造物に杭打ち工事は欠かせないものになっている。

基礎杭の打設状況をモニターできる
施工管理装置「セコ―マスター」

大型杭打機が活躍する基礎杭打設施工現場。
ただ基礎杭は外部から見ることができないため、定められた深さまでしっかりと打設されたかどうかを証明する必要がある。そのために開発されたのが施工管理装置「セコーマスター」だ。この装置は、杭打機のオペレーターが杭の深さや杭にかかっている力などをリアルタイム確認できるほか、打設作業の記録、打設作業の制御などを担う装置である。従来はリアルタイムでセコーマスターの画面を見られるのは運転室内のオペレーターだけだったが、監督者や立会人などの第三者が外部からも確認したいというニーズがあり、タブレット端末でのモニタリングができる仕様にしていた。

建設現場の厳しい環境を考慮し
ZEROSHOCKタブレットを採用

車体から取り外したZEROSHOCKタブレット。Wi-Fiを通じて現場の離れた場所からモニタリングできる。
「従来はユーザー様側でタブレット端末を用意していただき、セコーマスターの情報をWi-Fi電波で飛ばしてモニタリングをしていましたが、『タブレット端末自体も装備してほしい』との声があがってきました。そこで我々のニーズを満たしてくれる端末を探し始めました」と語るのは、セコーマスターの開発者である機電本部制御グループの田中主任だ。
「純正オプションとして採用する以上、車体搭載時にはタブレット側も杭打機のエンジンの入り切りに連動して動作してほしい。車内に固定して見られることはもちろん、取り外して手元で見られるようにしたい。また、使うのが建設現場ですから、堅牢性は欠かせませんし防塵や防水といった性能も必要でした。こういったニーズに応えてくれるのは、ロジテックさんのZEROSHOCKタブレットしかなかったのです(田中氏)」
エンジンと連動したタブレット側電源のON/OFF、運転室内に外向きに設置できるうえ取り外しも簡単にできるといった条件をクリアするため、ロジテックと日本車輌製造様双方の技術者を交えた開発はスタートした。

狭い杭打機の運転席
車体への設置方法も課題に

左上に設置されているモニターが、オペレーター用のセコ―マスター。右下にあるのがZEROSHOCKタブレットで、外部から確認できるほか、取り外すこともできる。
日本車輌製造様側では、ロジテック純正の車載クレードルを使って、どのように車内に固定するかが課題となった。
「視認性を高めるため10インチのタブレットを、外から見える位置に取り付けるということが実はものすごく大変でした。既製品の車載クレードルを車内で固定するブラケットをつくるわけですが、スペースがそもそも狭いうえ、取り付け場所は水平ではないんです。また、当然機種によっても設置箇所の条件は異なります。いろんな試行錯誤をした上で現在の位置に取り付けられるブラケットを設計することができました」と、開発に関わった伊豆氏は当時の苦労を振り返る。

最新機種の安定した供給を
長期的に期待

●取材にご対応いただいた皆さま

日本車輌製造株式会社
機電本部 開発技術部
制御グループ
(写真右より)
主任 田中氏 伊豆氏
「杭打機は、だいたい20年から30年もの長期間稼働します。しかし、同機種のタブレット供給期間はおそらく3年から5年ほどでしょう。ロジテックさんには、私たちのお客さまのためにも後継機種を長期にわたって供給していただけるようお願いしたい」との期待の声をいただいた。

両社技術陣の協力のもと世に出ることになった、杭打機専用のZEROSHOCKタブレット。今後、搭載される杭打機の機種も順次増えていく予定だ。基礎杭の打設という建築に欠かせない重要な作業の現場で、大いに活躍することが期待される。
ご採用機器
ZEROSHOCK TABLET Pro
(ゼロショックタブレットプロ)
10.1インチ堅牢タブレットPC スタンダードモデル
LZ-WB10M/W1
  • 耐衝撃落下1.5m試験に合格(動作時)
  • 防塵防滴設計で、悪条件下でも利用が可能(全面IP65準拠)
  • マイナス10℃~50℃対応で、寒冷地や炎天下でも利用が可能
  • 手袋でも操作可能なタッチパネル搭載で、建設・物流現場でも利用が可能
  • バッテリー残量LED付きのダブルバッテリー搭載で12時間連続稼働
    ※JEITA2.0
  • 有線LANコネクタもしくはRS232Cコネクタをタブレット本体に拡張可能
  • 位置測位 GPS/GLONASS/QZSS(みちびき)に対応


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